アポ電など詐欺被害対策 自動通話録音機に問い合わせ相次ぐ
NHK NEWS WEB より転載します↓
(2019年3月14日 18時52分アポ電)
振り込め詐欺などの特殊詐欺の被害を防ぐ対策として、都内では「自動通話録音機」を無償で貸し出す自治体が多くなっていますが、先月の江東区の事件以降は高齢者を中心に貸し出しを求める問い合わせが相次いでいます。
「自動通話録音機」は、電話をかけてきた相手に通話の内容を録音することを伝える警告メッセージが自動的に流れたあと、録音が始まります。詐欺グループが自分の声が残るのをおそれ、電話を切ってしまうとして、特殊詐欺の被害を未然に防ぐのに効果的だとされています。
このため、都内の自治体では、高齢者が住む世帯を中心に無償で貸し出しているところが多くなっていますが、「アポ電」がかかってきたとみられる先月の江東区の事件以降、高齢者を中心に貸し出しを求める問い合わせが相次いでいます。
このうち、港区では、区役所に事件以降、「自分も使いたい」という高齢者からの問い合わせが急増し、多い時には1日20件以上相次ぎました。区によりますと、今月だけで86台が貸し出され、在庫が少なくなっていることから、急きょ100台以上追加で購入することを決めたということです。
港区防災危機管理室の滑川寛之課長は「『アポ電』から強盗事件も起きたことで録音機に対する区民の関心が高まっている。録音機を設置できないことで、被害に遭われたら大変なので、急いで追加の手配をしている」と話していました。
世田谷区では今月11日に貸し出しの予約の受付を始めましたが、わずか1日半で予定の400台に達しました。来年度は今年度の4倍以上の6000台余りを準備する予定だということです。
また、大田区では事件以降、1日10件以上の問い合わせが相次ぎ、今年度配付する予定だった3000台分が今月上旬で在庫が無い状態になりました。
今でも1日に2、30件の問い合わせが相次いでいるということです。
自動通話録音機設置で不審電話なしに「自動通話録音機」を設置した結果、「アポ電」のような不審な電話がかかってこなくなったという人もいます。
東京・豊島区で1人暮らしをしている岡部俊夫さん(79)は、3年前に地元の警察署や区の勧めで「自動通話録音機」を設置しました。
この機械を設置する前は「電話の周りに誰かいないか」と尋ねる不審な電話を受けたこともありましたが、設置してからはこうした電話はかかってこなくなったといいます。
町内会の会長なども務めている岡部さんは、振り込め詐欺の予兆電話を受けた近所のお年寄りたちにも、この機械の設置を呼びかけているということです。
岡部さんは「『私は大丈夫』と思っている人は多いが、お年寄りは判断力がだんだん弱くなっているので特に警戒してほしい。
『自動通話録音機』は簡単に取り付けられるので、取り付けて自分の身を守ってほしい」と話しています。